オフィスを整理整頓するには?メリットやポイント、整理整頓の手順を解説
そもそも整理整頓とは
まず、整理整頓という言葉を正確に知りましょう。整理整頓とひと言で表現する場合が多いですが、「整理」と「整頓」ではそれぞれ意味が異なります。整理は必要なものと必要ではないものを仕分け、不要なものは捨てるという意味があります。
整頓は、必要なものを必要なときにすぐに取り出せるよう、取り出しやすい場所に秩序を持って配置することを言います。
つまり、雑然と散らかっているものをキャビネットや引き出しにしまうだけでは整理整頓をしたことにはなりません。整理するときに、必要なものと不要なものを分類し、不要なものを捨てることが大切なのです。
要らないものを捨てることで、オフィスのスペースにゆとりができます。また、ものが減るため、整頓もしやすくなります。
オフィスを整理整頓するメリット
オフィスの整理整頓は年末のときだけで、それ以外は業務で使う資料や書類が1年中散乱しているオフィスで働く人もいるかもしれません。または、普段から仕事が忙しく整理整頓をする時間が取れない場合もあるでしょう。
しかしオフィスを整理整頓するメリットはいろいろあります。単純に整理整頓されたオフィスで業務にあたるのが快適というだけではなく、作業効率やセキュリティなどにも大きく影響します。それぞれ詳しく解説していきます。
作業効率が上がる
デスクやオフィスが整理整頓されていると仕事に集中しやすくなり、作業効率が上がります。人間の脳は、目から入ってくる情報を優先して処理する傾向があります。デスクの上に業務とは関係ない書類や書籍、私物などがあると、業務に取り掛かろうと思っても余計な情報に意識が向いてしまい注意力が散漫になってしまいます。
デスクの周りをきれいに片付け、その日行う業務に必要なものだけを出しておくようにすれば、集中力が高まりタスクの処理能力も上がるでしょう。作業効率を上げるためには、業務に関係するもの以外の情報が視界に入らないよう整理整頓することが重要です。
ものを探す時間が節約できる
整理整頓ができていないと、業務を行う前にまず業務で使う書類や文書を探さなければいけません。例えば1日のうちに必要な書類を見つけるまでに5分かかった場合、月間にすると100分程度を探し物のために費やすことになります。年間では1,200分、20時間のロスになります。
デスクやオフィスが片付いていなければ、目的のものを見つけるための時間がさらにかかる場合もあります。多くの従業員が探し物のために年間20時間程度を費やすとしたら、企業にとって大きな損失です。
業務を遂行する時間を増やすためにも整理整頓を行い、物を探す時間を節約する必要があります。
セキュリティの強化につながる
デスク周りやオフィスを整理整頓すれば、セキュリティの強化につながります。さまざまな書類を乱雑にデスク周辺に置いておくと、機密情報や個人情報が記載された重要な書類を紛失してしまう可能性があります。
社内の重要な情報が外部に漏洩した場合、企業の社会的信頼を失うだけではなく、顧客や取引先の個人情報が流出したとして損害賠償を請求されることもあります。
部署やプロジェクトごとに書類をまとめる、重要度の高い書類は他の書類とは別に収納場所を設ける、書類を閲覧したりコピーしたりできる人員を制限するなど、社内管理のルールを作って整理整頓しましょう。
オフィス整理整頓のポイント
整理整頓は、ただ要るものと要らないものを分けて捨ててから並べるだけでは不十分です。保管の仕方や保管場所のルールを決め、さらに電子化できるものは紙ではなく電子文書で保管するなど、工夫することでより快適で機能的なオフィスになるでしょう。
オフィスを片付け、効率よく業務を遂行するためのポイントをお伝えします。
利用頻度で整理して保管場所を考える
業務で使う書類を整理するときに、今は使わなくてもすぐには捨てられない文書もあります。このような書類は処分できないため、保管しなければいけません。しかしすぐに使うわけではない書類と毎日使う書類を同じ場所に保管するのは効率的ではありません。
すぐに使わない書類は分けて管理しやすい場所に収納しておきましょう。必要なときにすぐに取り出して使えます。すでに長い期間保管している書類は、一度取り出して必要なものかどうか再確認して、要らなくなった書類は処分してください。
すぐ使わない書類を収納するスペースが社内に十分にない場合は、外部の倉庫を借りて保管してもいいでしょう。また中長期で保管する必要がある書類は、電子化して保管するとスペースを取らず紙の劣化によるトラブルも避けられます。
使用頻度が高い書類は、出し入れしやすい場所に定位置を作りましょう。
保管場所を固定する
保管場所は固定しましょう。それぞれのものの定位置が決まっていれば、使うときに出してもまたすぐにしまう場所を考えずに片付けられます。引き出しの仕切りやトレイ、書類ボックスなどを活用してください。
基本的にデスクの上には、その日の業務に必要なものだけを出しておきましょう。作業で使ったものは出しっぱなしにしておかず、その都度定位置に戻せば常に整理整頓ができている状態を維持でき、快適な環境を保てます。
毎日の終業後に整理整頓する習慣をつける
1日の業務が終わったら整理整頓する習慣をつけましょう。その日の作業で使ったものは全て片付け、メモ書きなど不要になったものは捨てます。退社するときはデスクの上に何もない状態にしておけば、翌日出社してもすぐにその日に必要な書類を取り出して業務を開始できます。
書類を片付け、パソコンの電源を落として帰ることで情報漏洩の防止にもつながります。
書類や文具は立てて保管する
書類や文具は、立てて保管しましょう。書類は平積みしておくと内容がひと目で分からないため、使うときに探す時間がかかってしまいます。またボールペンやステープラーなどの文具も散乱しやすいため、ペン立てに立てて保管するといいでしょう。
書類を立てて保管するときは、ボックスやクリアファイルなどのアイテムが便利です。中にどの書類が入っているのか分かるよう、ラベルや色分けしたシールを貼っておくのがおすすめです。
書類も文具もデスクに定位置を決めておくと、すぐに戻せて探す必要がなくなります。
ペーパーレス化を推進する
紙の書類を保管するのではなく、電子化された文書を保管する方法もいいでしょう。昨今は、コロナ禍の影響もあり、リモートワークを導入する企業が増えました。従来のようにオフィスに出勤してデスクで仕事をする機会が減り、遠隔で書類を確認しながら業務を行うため、ペーパーレス化は必須とも言えます。
さらにリモートワークを定着させた企業では、全従業員が一度に出社する機会が減ったため、オフィスを縮小したり移転したりしたところもあります。また、リモートワークと併用してオフィス内にフリーアドレスを導入している企業などであれば、紙の書類を保管するスペースが少なくなったケースもあるでしょう。
電子帳簿保存法の施行もあり、ペーパーレス化を推進して文書を電子データで保管する方法は、今後主流になっていくと思われます。
オフィス整理整頓の手順
オフィスには担当する業務やプロジェクトごとの書類、マニュアルや仕事のメモ、文房具など細かいものも多く、整理整頓を意識しても散らかってしまうことがあります。また、片付けを後回しにするタイプやものが捨てられないタイプの人は、整理整頓が苦手な場合が多くデスク周りが雑然としがちです。
基本的な片付け方が身につけば、いつも自然と整理整頓ができるようになるでしょう。オフィスを整理整頓するときの具体的な手順を1つずつ説明します。
全てのものを取り出す
まずは、片付けたい場所にある全てのものを取り出します。例えばサイドデスクの引き出しを整理整頓するなら、デスクの上に何も置かずに一度引き出しの中にあるものを全て並べてみましょう。
この取り出す作業をせずに片付けようとすると、単にものを並べ替えるだけになってしまい、根本的な整理ができなくなってしまう場合があります。
中身を全て取り出すことで、何が入っていたのか把握できるようになり、必要なものと不要なものを分類しやすくなります。業務に支障が出ないように、1ヶ所ずつ整理整頓していくといいでしょう。
取り出したものを分類する
並べたものを見渡して、要るものと要らないものに分けます。分類する基準として用途や頻度などを考慮するといいでしょう。分ける基準が明確になっていないと、保管するべきか処分するべきか迷ってしまい、分類に時間がかかることがあります。
現在取り組んでいる業務で必要なもの、タスクは完了しているけれど次の業務に参考にできるもの、業務には必要のないものなどで仕分けしていきましょう。壊れているものや重複しているものは廃棄します。
仕分けで迷ったものは、過去1か月の間に使ったかどうかを振り返ってみてください。1か月間で使用しなかったものは要らないものと考えて思い切って処分するのもひとつの手段です。
不要なものを処分する
要らないものの分類ができたら、処分しましょう。再利用できるものは、管理している部署に戻したり、他の人に譲ったりすると無駄になりません。
書類を処分するときには、情報漏洩が起きないよう注意が必要です。機密情報や個人情報が記載されているものは、シュレッダーにかける、業者に依頼して溶解処理してもらうなど適切に処分してください。
長期保存の必要がある書類は、電子化することもおすすめです。紙ではなく電子文書で保管すれば、オフィスの保管スペースを省けます。保管したい書類をスキャンして分かりやすい名前で保存すれば、管理がしやすくなります。
重要度の高い書類の場合は、アクセスできる従業員を制限する、IDやパスワードを設定する、などのセキュリティ対策を取りましょう。
用途や頻度で分けて収納する
残った必要なものを収納して整理整頓は終了です。収納するときは、元にあった場所に戻してもいいですが、業務内容に合わせて分けて収納したり、使用する頻度によって収納する場所を考えたりするといいでしょう。
使用頻度別に収納する場合は、毎日使うもの、2~3日の頻度で使うもの、週1回〜隔週で使うもの、月に1回使うもの、半年〜1年程の周期で使うものに分けてみてください。毎日使うものは、すぐに取り出せるよう手前に収納しておくと使い勝手もよくなります。
オフィスの整理整頓に関してよくある質問
オフィス整理整頓のポイントは?
オフィスの整理整頓のポイントは、利用頻度を考えて収納場所を決めることです。あまり使わないものは、管理しやすい場所に保管しましょう。
デスク周りの整理整頓は、できる限り毎日終業時に行います。デスクの上には何もない状態にして帰宅してください。保管場所は頻繁に変えずに固定の位置を決めておくと、使った後も考えずにすぐに戻せます。
書類や文房具は使いやすさを考えて立てた状態で収納するといいでしょう。ファイルにラベルを貼っておくと内容がすぐに分かります。ペーパーレス化できる書類は電子化して保管しましょう。
オフィス整理整頓の方法は?
オフィスの整理整頓の仕方は、まず片付ける場所にあるものを全て取り出して並べます。中にどのようなものがあるのか全体を把握してから、必要なものと不要なものを分類していきましょう。
仕分けの目安は1か月使用していないかどうかです。不要なものは思い切って処分することも検討してください。情報漏洩には十分注意しましょう。
残ったものは元の場所に戻すか、用途や使用頻度を考えて保管場所を決めて収納してください。
オフィス整理整頓の効果は?
オフィスを整理整頓すると、探し物をする時間を削減できます。必要な書類や資料を取り出し、すぐに業務に取り組めるため生産性の向上にもつながります。
また、デスクに業務とは関係のないものがあると仕事に集中できなくなりますが、整理整頓ができていれば作業効率も上がります。
さらに使用した書類を定位置に片付けることで、さまざまな書類が雑然と混ざって重要な文書を紛失するリスクも低くなります。
まとめ
オフィスの整理整頓は見た目がきれいになるだけではなく、不要なものを処分することで、必要な書類をすぐに取り出せるようになり業務の効率化につながります。また重要な書類も管理しやすくなるため、セキュリティ対策にも効果的と言えるでしょう。
整理整頓するときには、一度全てのものを取り出して把握し、必要なものと不要なものを分類してください。必要なものだけ残したら、用途や使用頻度に合わせて保管場所を決めて収納しましょう。
保管場所は頻繁に変えず、定位置を作ることでより整頓しやすくなります。
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