コラム

機密文書の6つの廃棄方法とメリット・デメリット、社内で行う際の注意点を解説

2023.02.01

機密文書(機密書類)とは?

機密文書(機密書類)とは、秘密保全の必要性が特に高く、関係者以外に漏れてしまうと、関係者や関係企業にとって不利益が生じる情報を含んだ文書を指します。厳重に管理されなければならない文書のため、たとえ社内の人間でも、限られた人物にしか見ることは許されないでしょう。
もしも機密文書の情報が漏れてしまったら、機密情報を守れない企業として多くの取引先や顧客からの信用を失ってしまう事態になりかねません。機密文書は厳重に守らなければいけない情報が含まれていると認識し、取り扱いに注意してください。

機密文書の種類

機密文書について前述しましたが、機密文書は保管や閲覧などを厳重に管理する必要があります。しかし数多くの機密文書をすべて一様に扱うのは、現実的ではありません
機密文書は、記載されている情報の重要性により、以下の3つに分けられます。

  • * 極秘文書:最も守らなければいけない情報が記載されている文書
  • * 秘文書:社内でも限られた人間のみ共有される情報が記載された文書
  • * 社外秘文書:社内に共有されているものの、外部の人間には漏らしてはいけない情報が記載された文書

極秘文書とはもしも情報が漏れてしまうと、企業に直接損害を与える可能性のあるものです。具体的には未発表の研究内容や重要なプロジェクト内容、社内システムのIDやパスワードなどが挙げられます。
秘文書は極秘文書ほどではないものの、慎重な取り扱いが必要な、従業員や顧客の個人情報、製品の設計図などが当てはまるでしょう。
社外秘文書は社外の人間に漏らしてはいけない情報が記載されていて、顧客リストや自社製品の仕入れ価格などが該当します。
それぞれ重要度の異なる3つの機密文書ですが、漏らしてはいけない情報を含むため、廃棄方法も重要です。ここからは、機密文書の廃棄方法6つを見ていきましょう。

機密文書の6つの廃棄方法とメリット・デメリット

機密文書の廃棄方法には、自社内で手を動かして行うケースと、業者に依頼するケースの大きく2つに分けられます。それぞれの廃棄方法のメリットとデメリット、概要を見ていきましょう。

自社内での実施や焼却工場に直接持ち込む3つの廃棄方法

自社内での実施や、焼却工場に直接持ち込む方法には、以下の3つがあります。

  • オフィスシュレッダー
  • 直接溶解
  • 焼却処分

順番に見ていきましょう。

オフィスシュレッダー

自社内で機密文書を廃棄する方法は、社内のシュレッダーを使って裁断することです。従業員自ら廃棄することで確実に処分が行え、業者に払うべきお金もない点はメリットといえるでしょう。
ただしオフィスシュレッダーは大量に行う書類がある場合、従業員の手間や負担が大きくなります。ステープラーやクリップなどを確認して、外す事前準備も必要です。
またシュレッダーは文書を細かく切る役割をするものであるため、燃やしたり溶かしたりする処分と違い、完全に情報が消えてなくならない点は、覚えておくべきポイントでしょう。

直接溶解

機密文書を廃棄する方法には、業者に依頼して行なってもらう直接溶解があります。直接溶解とは文書を水と混ぜ、鋭い刃で粉砕し、液状化する方法です。
文書の量が多くても問題なく、業者によってはホチキスやバインダーも付いたままで良いため、発注側での手間や時間が最小限に抑えられます。
業者に依頼して引き渡した後はすべて行ってもらえるため手軽な方法ですが、配送の最中に紛失や盗難の恐れも考えられます。また引き渡した後は、本当に処理したか自分の目で確認できないため、信頼できてセキュリティもしっかりとしている業者を選ぶべきでしょう。

焼却処分

機密文書の処理方法として、焼却処分があります。焼却処分は箱に詰めた文書を業者が回収した後、焼却工場に持っていって処理する方法です。焼却工場の火力は強いため、クリップなどの留め具をしていても、外す必要はありません。
ただし焼却処分は文書を燃やす際、二酸化炭素を排出してしまう問題があります。特にSDGsを掲げている企業にとっては。機密文書の廃棄方法を尋ねられた際、印象がよくない場合もある点には注意しましょう。

業者に依頼する3つの廃棄方法

業者に依頼する機密文書の廃棄方法には、以下の3つがあります。

  • 引き取り裁断
  • 持ち込み裁断
  • 出張裁断

順番に見ていきましょう。

引き取り裁断

引き取り裁断とは、機密文書を業者が引き取り、工場で裁断する方法を指しています。自社で行うのは文書の引き渡し作業のみであるため手間がかからず、裁断もセキュリティの整備された工場内で行なってくれるため、安心です。
また工場で処理し紙くずとなった機密書類は、トイレットペーパーなどの再生紙へとリサイクルされるため、環境にも優しい方法といえるでしょう。

持ち込み裁断

持ち込み裁断とは、裁断工場まで出向いて機密文書を運び込み、裁断してもらう方法です。自分たちで機密文書を運搬するため配送コストがかからず、裁断はセキュリティ対策が実施れている工場で行えるため、情報が漏れてしまうこともありません。
前述した引き取り裁断と同じく、リサイクルもできるため環境にも良い方法ですが、配送中の機密文書の盗難や、事故に気をつけましょう。

出張裁断

出張裁断とは、大型シュレッダーを搭載した車で自社まで来てもらい、目の前で裁断してもらう方法です。配送中の事故や盗難の恐れがないだけでなく、目の前で確実に処理してもらえるため、安心感が大きい方法であるといえるでしょう。デメリットを挙げるとすれば、駐車スペースが必要になる点や、他の2つと比べて料金面で高額になる点です。

社内で機密文書の廃棄を行う際の注意点

さまざまな機密文書の廃棄方法について見てきましたが、社内で機密文書の廃棄を行う際の注意点には、以下の4つが挙げられます。

* 社員による認識・注意不足

  • 処分費用
  • 業務負担
  • 環境への配慮

順番に見ていきましょう。

社員による認識・注意不足

社内で機密文書を廃棄する際、気をつけたいのが社員による認識不足や注意不足です。機密文書の意味を理解し、完璧に処理が行われるだろうと思う方が多いですが、実際にはセキュリティ意識や注意力の不足により、情報漏えいは後を絶ちません。

  • セキュリティポリシーの制定
  • ルール・マニュアルの整備
  • 教育の徹底

機密文書の処理を社内で行うのであれば上記のような整備や教育を行い、決して情報を漏洩させないという意識を持ってもらうようにしましょう。

処分費用

業者に依頼するよりも、社内で機密文書を廃棄した方が処分費用は安く済むケースもありますが、オフィスシュレッダーを使って社内で処理する場合、以下の費用がかかります。

* シュレッダー費用

  • 人件費
  • 電気代
  • ゴミ袋代
  • 企業ごみ処理費用

オフィス向けの小型シュレッダーは、日々の業務内で発生する少量の文書の処理には向いていますが、大量となってしまうと、予想以上の処分時間がかかります。電気代や人件費など、上記に挙げた費用を業者の料金と比較し、最適な廃棄方法を考えましょう。

業務負担

社内で機密文書の廃棄をする際の注意点として、業務負担があります。少量の機密文書であればともかく、大量であればあるほど、シュレッダー処理の時間は長引くでしょう。
他に急ぎの業務がある社員の場合、シュレッダー処理にそれほど時間はかけられません。業務にゆとりのある社員でも、淡々と書類を処理していくだけのシュレッダー業務はストレスだと感じる人もいます。
ストレスで日々の業務が滞ったり、シュレッダー処理を怠って機密文書をそのままゴミ箱へと捨ててしまう社員が出たりしないよう、業務負担を考えましょう。

環境への配慮

社内で機密文書を廃棄する際、注意するべき点として、環境への配慮があります。特に持続可能な社会を実現するSDGsの考え方に賛同している企業では、機密文書の処理一つをとっても、環境に配慮した方法を選ぶべきでしょう。
機密文書の廃棄の際、文書の印刷された用紙はもちろん、留めてあるステープラーやバインダー、クリアファイルまですべてリサイクルすることが望まれます。社内でシュレッダー処理を行ってから業者に依頼する方法もありますが、環境に配慮するなら紙や金属、プラスチックすべてをリサイクルしてくれる業者を選んだほうが安心です。

機密文書の廃棄に関するよくある質問

機密文書の例は?

機密文書は極秘文書、秘文書、社外秘文書に分けられ、それぞれの例には以下のものがあります。
極秘文書:未発表の研究内容や重要なプロジェクト内容、社内システムのIDやパスワードなど
秘文書:従業員や顧客の個人情報、製品の設計図など
社外秘文書:顧客リストや自社製品の仕入れ価格など

機密文書の処分方法は?

機密文書の処分方法は大きく自社で行う方法と、業者に依頼する方法があり、そこから更に3つずつ分けられる。

自社で行う方法:オフィスシュレッダー、直接溶解、焼却処分
業者に依頼する方法:引き取り裁断、持ち込み裁断、出張裁断

溶解処分のやり方は?

溶解処分は、パルパーと呼ばれる溶解釜の中で機密文書と水を混ぜ、鋭い刃で切り裂きながら液状化させています。方式によってステープラーやファイルなどを外す手間が無いほか、二酸化炭素の発生もありません。
書類を入れたダンボールを開封することなく処分でき、リサイクルまで行える点は大きなメリットでしょう。

まとめ

今回は機密文書とはどのようなものを指すのか、6つの廃棄方法のメリットとデメリット、社内で処分する際に注意すべき点をまとめました。機密文書は決して外部に漏らしてはいけない情報を含んでいるため、作成から取り扱い、廃棄にいたるまで慎重に行わなければいけません。
今回紹介した方法をよく吟味し、自社で行うか業者に依頼するかをよく検討し、適切な方法で機密文書を廃棄しましょう。

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